納付相続税額から控除することができる各種税額控除等には、次のものがあります。
①暦年課税分の贈与税額控除
②配偶者の税額軽減
③未成年者控除
④障害者控除
⑤相次相続控除
⑥外国税額控除
⑦相続時精算課税分の贈与税額相当額の控除
(相続税法第十九条)
相続又は遺贈により財産を取得した者が相続開始前3年以内に被相続人から生前に贈与された財産がある場合は、
当該財産に係る贈与税の税額を控除する。ただし、加算税や延滞税の額は含まれません。
(相続税法第十九条の二)
被相続人の配偶者が相続又は遺贈により財産を取得した場合は、
1億6千万円もしくは配偶者の法定相続分相当額のどちらか多い金額までは配偶者に相続税はかからないという制度です。
(相続税法第十九条の三)
相続人のうちに20歳未満の者がいる場合は、その人が20歳に達するまでの年数に応じて税額控除を受けられます。
10万円×その者が20歳に達するまでの年数(一年未満は一年とする) ※平成27年1月1日の相続より改正 |
(扶養義務者…配偶者並びに直系血族及び兄弟姉妹など(相続税法第一条の二、民法八百七十七条))
※未成年者とその法定代理人の間の利益相反行為については、 親権者は、その子のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければなりません 。
(相続税法第十九条の四)
相続人が85歳未満で障害者のときは、相続税の額から一定の金額を差し引きます。
〔一般障害者〕10万円×その者が85歳に達するまでの年数(一年未満は一年とする) 〔特別障害者〕20万円×その者が85歳に達するまでの年数(一年未満は一年とする) ※平成27年1月1日の相続より改正 |
(相続税法第二十条)
今回の相続の開始前10年以内に開始した相続において、 今回の相続における被相続人が、財産を取得したことがある場合には、 その時に納付した相続税額の一部に相当する金額を控除することができます。
(相続税法第二十条の二)
相続又は遺贈により、日本国外にある財産を取得した場合において、その財産に対し、 外国の法令によって我が国の相続税に相当する税が課された時には、その課された税額に相当する金額を控除できます。
(限度額あり。)
(相続税法第二十一条の十四~十六)
相続時精算課税を選択した人は、相続時精算課税に係る贈与者が亡くなった時に、 既に納めた相続時精算課税に係る贈与税相当額を控除して算出します。 その際、相続税額から控除しきれない相続時精算課税に係る贈与税相当額については、 相続税の申告をすることにより還付を受けることができます。
未成年者控除や障害者控除の控除しきれない金額を他の相続人である扶養義務者から控除することで 相続税を節税することができます。しかし、特別代理人を立てる必要がある場合などは、 特別代理人の申し立てに多少の時間がかかることを留意し、前もって準備することが必要です。 |