上場株式などと違い、取引相場のない株式は、次のように評価を行います。
(A)原則的評価方式 ……下の表のとおり
(B)特例的な評価方式… 配当還元方式(配当金を10%で割り戻す方式)
会社区分 | 評価方法 | ||
---|---|---|---|
大会社 | ◆類似業種比準価額方式 | いずれか低い方 | |
◇純資産価額方式 | |||
中会社 | 類似業種比準価額方式と純資産方式の併用方式 | ||
大 | 類似業種比準価額方式×0.90+純資産価額×0.10 | ||
中 | 類似業種比準価額方式×0.75+純資産価額×0.25 | ||
小 | 類似業種比準価額方式×0.60+純資産価額×0.40 | ||
小会社 | ◇純資産方式 | いずれか低い方 | |
◆類似業種比準価額方式×0.50+純資産価額×0.50 |
類似業種の株価を基に、評価する会社の一株当たりの配当金額、利益金額及び純資産価額の三つで比準して評価する方法です。
業種の類似した上場会社の平均株価をもとにして、その会社の実績(配当・利益・純資産)を上場会社と比較して評価額を調整します。
社員が承継したケースをご紹介します。
ある会社経営者が、社員に会社を引き継がせる決断をしたとき、 その経営者は、内部留保から税制上許容される最大の退職金と配当を受取り、内部留保をカラにしました。 退職金・配当には税金はかかりましたが、後継者である社員は株式を買い取ることができ、「事業を承継する」ことに成功しました。
社員は、設備機械・顧客等を引き継げる利点はあるものの、資本金を出して事業を始めるのと同じように、内部留保0円からスタートしました。
事業承継で悩んでいる社長はたくさんいらっしゃいます。「社長が退任する」ということは、すべてが今まで通りということは絶対にありません。 税金を払ってでも「会社」を残したいのか、税金は最小限に抑えて「財産」を残したいのか、何を一番重要と考えるのかをまずは考えてみていただきたいと思います。
親族に事業を承継することが決まっている方は、こちらもご確認ください。
→(20)非上場株式等についての相続税納税猶予
株価は、内部留保が大きい所ほど、高くなります。
個人財産につき、相続税が課されるのと同じように、会社に留保したままの創業者が築いた財産につき相続税を課すので、
内部留保が大きいほど、株価が上がり、株価に対する相続税が上がります。 被相続人に帰属すると考えられる資産については、すべて相続税が課税されるということです。 |