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2013年9月6日

相続時、未支給の共済年金の税金

公的年金は、原則として2か月毎支払があり、その月と前月分が偶数月に振り込まれます。そうすると、奇数月に亡くなった場合には当月分が、偶数月になくなった場合には2か月分が未支給になる場合が多い。

平成7年11月7日の最高裁の判決で、国民年金の未支給年金について相続財産性が否定され、その未支給年金の税金については相続税の対象とするのではなく、相続人固有の権利として相続人の一時所得として所得税を課税するということになっている。
国税庁の質疑応答事例を見ても、国民年金法における未支給年金は遺族の一時所得になる、とある。

さて、国民年金の未支給年金については明らかになっているが、共済年金についてはどうだろうか。

国民年金法と厚生年金法については、記述の仕方が異なるものの、おおむね同じような条文構成になっていて、次のような特徴があります。
①「未支給年金(国民年金法19条)」「未支給の保険給付(厚生年金法37条)」という条文がある。
②上記は遺族が「自己の名で」申請できる。
③上記の給付に関する条文は生活保障の目的から設けられている。
④未支給年金請求権は、被相続人の財産とは考えにくい。

しかし、共済年金法は違うのです。
①未支給の年金についての条文はない。
②「年金の支給期間」という条文の中で年金は死亡の月まで給付する、という規定になっている。
③「支払未済の給付請求書」を提出して請求する。
④国民年金や厚生年金のように受け取る人に制限がない。
※ただし、JR,JT,NTTの共済年金は請求する用紙も国民年金や厚生年金と同じ用紙である。

条文だけを読むと、未支給の共済年金を相続人固有の権利と捉えることは、いささか難しいように感じる。
税研のホームページでも共済年金の未支給年金については相続人の一時所得だと当たり前のように記載されている。
本当にそうなのだろうか。とてもグレーな部分である。

ただ、相続人の一時所得として課税された方が相続人にすると有利ではある。
一時所得には特別控除が50万円あり、未支給年金が50万円を超えることは少ないからだ。

税金って、本当に難しい。
たぶん税務署に聞いても、相続人の一時所得と答えるだろう。
そうであれば、一時所得として申告すべきなのかもしれない。