2013年2月15日 平成25年度税制改正(贈与税関連)
平成25年度の税制改正の内容を整理してみましょう。
(1)贈与税の税率構造(暦年課税)
基礎控除後の 課税価格 |
□現行 |
■改正後 |
20歳以上の者が直系尊属(親・祖父母など)から贈与を受けた場合 |
左記以外の贈与の場合 |
税率 |
控除額 |
税率 |
控除額 |
税率 |
控除額 |
200万円以下 |
10% |
― |
10% |
― |
10% |
― |
300万円以下 |
15% |
10万円 |
15% |
10万円 |
15% |
10万円 |
400万円以下 |
20% |
25万円 |
20% |
25万円 |
600万円以下 |
30% |
65万円 |
20% |
30万円 |
30% |
65万円 |
1000万円以下 |
40% |
125万円 |
30% |
90万円 |
40% |
125万円 |
1500万円以下 |
50% |
225万円 |
40% |
190万円 |
45% |
175万円 |
3000万円以下 |
45% |
265万円 |
50% |
250万円 |
4500万円以下 |
50% |
415万円 |
55% |
400万円 |
4500万円超 |
55% |
640万円 |
(平成27年1月1日以後の贈与について適用)
(2)相続時精算課税制度の適用要件の見直し
□現行 ⇒ ■改正後
贈与者 65歳以上の親 ⇒ 60歳以上の親、祖父母
受贈者 20歳以上の子 ⇒ 20歳以上の子、孫
(3)教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置(新設)
30歳未満の子、孫などの教育資金に充てるために、その直系尊属(親、祖父母等)が金融機関(銀行等)に信託等をした場合には、受贈者一人につき1500万円(学校等以外への支払は500万円)までを贈与税を非課税とする。
□現行 ■改正後
親・祖父母がその都度支払う ⇒ 一括で贈与(信託)しても非課税とする
教育資金は贈与税の対象外 その都度払う場合は、引き続き贈与税対象外
(注意点)
①信託等であるため、金融機関に信託手数料を支払う必要がある
②30歳に達した際に、お金が余っていれば贈与税の対象となる
③払い出した金銭を、教育資金に使ったという証明書を提出しなければならない
(平成25年4月1日から平成27年12月31日の贈与について適用)
2013年2月8日 国外資産の申告漏れに注意!
2/6の日経新聞で、大きく国外財産の申告漏れに関する記事が取り上げられていました。
内容は・・・
①確定申告において、国外に預金がある納税者がその預金から得た利子を申告していないケースが多いほか、所得税・相続税ともに国外の財産に関する申告漏れが多い
②100万円超の国外に送金しているお金は、支払調書で税務署は把握している
③平成25年から、国外財産を5000万円超保有する納税者は「国外財産調書」を提出しなければならない
④平成25年4月から、日本に国籍がなくても国外資産を相続・遺贈・贈与して事に対して課税される
といったことです。
国外に資産を持つ方は年々増えています。
そのため、納税者が国外にどのくらい資産をもっているかを把握して、税務署は課税漏れをなくそうとしています。
平成25年から始まる国外財産調書は、提出しなかったり偽って記載したりした場合にはペナルティが課されるようになりました。
国外に資産を持つ場合には、注意して申告しなければなりませんね。
2013年2月7日 平成25年度税制改正(相続税関連)
平成25年度の税制改正の内容を整理してみましょう。
(1)相続税の基礎控除額の見直し
□現行 5000万円+1000万円×法定相続人の数
↓
■改正後 3000万円+600万円×法定相続人の数
■改正後の税率構造
法定相続分の各相続人の取得価額 |
税率 |
控除額 |
1000万円以下 |
10% |
― |
1000万円超~3000万円以下 |
15% |
50万円 |
3000万円超~5000万円以下 |
20% |
200万円 |
5000万円超~1億円以下 |
30% |
700万円 |
1億円超~2億円以下 |
40% |
1700万円 |
2億円超~3億円以下 |
45% |
2700万円 |
3億円超~6億円以下 |
50% |
4200万円 |
6億円超 |
55% |
7200万円 |
(平成27年1月1日以後の相続について適用)
(2)小規模宅地等の特例に関する改正
特定居住用宅地等に係る特例の適用面積
□現行 240㎡ → ■改正後 330㎡
■改正後は、特例を適用する対象地のすべてが特定事業用宅地等及び特定居住用宅地等の場合には、それぞれ適用対象面積(400㎡及び330㎡)まで適用可能とする。
貸付用事業用宅地等については、調整を従来通り調整を行う。
(平成27年1月1日以後の相続について適用)
その他、一棟の二世帯住宅で区分のあるものに対する特例の適用関係、老人ホームへ入所した場合の適用関係について整備
(平成26年1月1日以後の相続について適用)
(3)未成年者控除及び障害者控除の引き上げ
①未成年者控除
□現行 20歳まで6万円/年 → ■改正後 20歳まで10万円/年
②障害者控除
□現行 85歳まで6万円/年 → ■改正後 85歳まで10万円/年
特別障害者は12万円/年 特別障害者は20万円/年
(平成27年1月1日以後の相続について適用)
(4)事業承継税制 非上場株式等の納税猶予制度の見直し
①経営承継相続人等の要件から、被相続人の親族であることとする要件を撤廃
②雇用確保要件について、5年間の平均が80%を下回るかどうかで判定するように要件が緩和
③民事再生等があった場合には、納税猶予額を再計算
④株券不発行会社について要件を満たせば、株券を発行しなくてもよいこととする
⑤5年経過後の利子税は免除
⑥経済産業大臣による事前確認制度を廃止
⑦資産保有会社・資産運用会社の判定において、従業員数の判定を生計一親族以外で計算
・・・など
(平成27年1月1日以後の相続について適用)
(5)国外財産の課税対象拡大
日本国内に住所がなく日本国籍を有しない人が、日本に住所がある被相続人から相続・遺贈・贈与により取得した国外財産を、相続税・贈与税の課税対象に加える。
(平成25年4月1日以後の相続について適用)