よくあるご質問のなかに、「被相続人の預金が動かせなくなってしまったのですが、どうしたらいいですか?」というものがあります。
銀行では、預金者の死亡の連絡を受けると、預金を封鎖します。
預金の封鎖とは、預金の入金も出金もできなくなってしまうということです。
ですから、銀行に預金者の死亡の連絡をする前に、それからのお金の流れを考えておく必要があるのです!
※銀行によっては、一部の入出金処理(配当金の受理や借入返済など)ができるところもあります。
それぞれの銀行ごとに、相続による名義変更手続きは少しづつ異なりますが、大体の流れは似ています。
一つの銀行の例を確認してみましょう。
お電話での連絡後、「相続届」という書類を提出します。
【必要書類】・相続人全員の自署
・被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
・相続人全員の戸籍謄本
・相続人全員の印鑑登録証明書
・遺言書があれば検認された後の遺言書 または 遺産分割協議書
※銀行や相続の状況により準備する書類は異なりますので、ご注意ください。
借入金がなく、預金の名義変更や解約のみの場合、遺言書や自署のある遺産分割協議書があれば相続人全員の自署が必要のない銀行もあります。
また、預金が少額の場合、相続人一人のみの手続きで手続きできる銀行もあります。
ゆうちょ銀行など支店ごとの手続きではなく「貯金事務センター」や「相続事務センター」など集中管理しているところでは、
支店は窓口になるだけですので、手続きに時間がかかることがあります。
通常、これらの手続きにかかる書類は返却してもらえますが、返却希望と言わない限り返却されない場合がありますので、
手続きの際には「書類返却希望」と添える必要があります。
①~③までの手続きには、2週間~1ヶ月かかりますので、すぐに被相続人の預金が使えるようにはなりません。
また、銀行で投資信託などを買っている場合や、ゆうちょ銀行で簡易保険を契約している場合などは、合わせて手続きしますので、
準備書類も異なる可能性があります。
配当金の未収分がある場合などには、株主名簿を管理している信託銀行などに連絡します!
預金が封鎖されて配当金が受け取れなかった場合などには、株主名簿を管理している信託銀行などに連絡すると対応の仕方を教えてくれます。
この時、その信託銀行ごとに対応や必要書類が違いますので、注意が必要です。
また、株主名簿に登録されている印鑑が分かると、手続きが簡易になる場合があります。
証券会社に口座を作った際の印鑑を相続が発生する前に確認が取れていると良いでしょう。
通常、取引に使っている印鑑は1個~数個だと思うので、確認しておきましょう。
また、信託銀行に連絡をすると、住所不明で配当金通知が送られなかった際の未収配当金が残っている場合などがあります。
住所変更などを早急にしなかった場合や、住所の名前が換地などで変わっている場合にはご注意ください。
被相続人がたくさんの銀行で口座をもっている場合などには、その都度必要書類が必要になります。 10個の銀行の相続手続きを一度に済まそうと思ったら、戸籍謄本なども10通用意しなければなりません。 そのため、最低でも2~3通、できれば5~6通の戸籍謄本などを用意して、一度に数件の手続きを進められるようにしておくと、 手続きがスムーズです。 |