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2016年6月30日

出国税って?

出国税ってご存知でしょうか?
所得税法の特例で「国外転出をする場合の譲渡所得等の特例」、が正式な名称です。
平成27年7月1日以後に日本から外国に移住する一定の居住者が、1億円以上の有価証券等対象資産を所有する場合に、その対象資産の含み益に所得税及び復興特別所得税が課される制度です。
適用税率は原則として15.315%(復興特別所得税を含む)の税率が適用されます(個人住民税は課されません)。

最近では、海外転勤も多くなり、私の友人も多くが海外転勤経験があるため、転勤するたびに未実現の利益に対して所得税申告しなければならなくなるなんて大変だな、と税制改正大綱を読んだ時に思ってしまいました。
ただ、この課税の対象者は、平成27年7月1日以降に、国外転出する時に1億円以上の有価証券等を所有している人で、原則として国外転出の日前10年以内に、日本国内に住所・居所を有していた期間が5年を超える人です。
一般的なサラリーマンで、海外転勤時に1億円以上の資産を持っていなければ、申告する必要はありません。

対象資産は、有価証券、匿名組合出資持分、未決済信用取引等、未決済デリバティブ、未上場の株式や公社債などです。

対象者は原則として出国時に確定申告しなければなりませんが、納税管理人の届出をし一定の手続きして納税を猶予することもできます。
この場合、国外転出の日から原則5年間(延長の届出により最長10年間)、納税を猶予することができます。
また、5年以内に帰国した場合で、そのまま売却せず所有している場合には、国外転出時課税の適用がなかったものとして、課税の取消しをすることができます。

そのほかに、含み益を有する対象資産を贈与、相続および遺贈によって非居住者に移転した場合にも同様の適用(「贈与等により非居住者に資産が移転した場合の譲渡所得等の特例」) があります。

グローバル化に伴い、税制もどんどん変わっていきます。
上記の特例対象者でない方も、海外赴任時には納税管理人を定めておいた方が良いケースも多いため、国外転居が決まったら、一度ご自身にまつわる税金について確認した方が良いと思います。

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