いざ遺言を書くとしても、平等に財産分けをしようにも分けられないこともあります。
このような場合、長男に自宅を相続させるかわりに、
他家へ嫁いだ姉や妹に金銭を支払う資金対策として長男を受取人にした生命保険に加入しておくことが争族対策となります。
受取人を指定した生命保険に加入しておくと、保険金は速やかに受取人の口座に振り込まれるので安心です。
もし一人の相続人が不動産を多く相続することになり、それに対し他の相続人から遺留分を侵害しているとして
「遺留分のの減殺請求」をされたとしても、必ずしも贈与や遺贈を受けた財産自体を返す必要はなく、
相続した不動産ではなく、相続人の所有資産の中から弁済すればよいとされています。
受け取る生命保険金は、相続人の固有の財産であり、遺留分の請求対象となる財産ではありません。
遺言により不動産などを多く相続する相続人や、生前贈与により不動産を多く贈与された相続人などが
生命保険金を受け取ることができるようにし、、その中から代償分割金を支払うように手当しましょう。
<生命保険のPoint>
①生命保険契約に基づく死亡保険金は、民法上、保険金受取人の固有の財産。
②相続税法上は「みなし相続財産」として、相続財産に含まれる。
③残された遺族の生活保障という観点から、受け取った金額のうち一定金額(生命保険金の非課税枠=500万円×法定相続人の数 )については相続税が課税されない。
遺言を作成する際には、生命保険の見直しは合わせて行うべきです。
相続において、生命保険は重要な役割を担っています。 遺言を作成した際、生前贈与を行った際には、生命保険を見直し、保障額、受取人などが適切かどうかを確認しましょう。 |