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生前対策 (7)小規模企業共済

 小規模企業共済は国がつくった「経営者の退職金制度」です。 小規模企業の個人事業主が事業を廃止した場合や会社等の役員が役員を退職した場合など、 第一線を退いたときに、それまで積み立ててこられた掛金に応じた共済金をお受け取りになれる共済制度です。
国による共済制度であり、メリットが多いので、加入資格のある方は検討してみる価値はあるのではないでしょうか?

《加入資格》
①建設業、製造業、運輸業、不動産業、農業などを営む場合は、常時使用する従業員の数が20人以下の個人事業主または会社の役員
②商業(卸売業・小売業)、サービス業を営む場合は、常時使用する従業員の数が5人以下の個人事業主または会社の役員
③事業に従事する組合員の数が20人以下の企業組合の役員や常時使用する従業員の数が20人以下の協業組合の役員
④常時使用する従業員の数が20人以下であって、農業の経営を主として行っている農事組合法人の役員
⑤常時使用する従業員の数が5人以下の弁護士法人、税理士法人等の士業法人の社員
⑥上記1、2に該当する個人事業主が営む事業の経営に携わる共同経営者(個人事業主1人につき2人まで)

=注意事項=
●共同経営者とは、個人事業主とともに経営に携わっている方で次の要件をともに満たす方となります。
・ 事業の経営において重要な意思決定をしている、または事業に必要な資金を負担している。
・ 事業の執行に対する報酬を受けている。
●常時使用する従業員には、家族従業員や臨時の従業員、共同経営者(2人まで)は含みません。
●共同経営者として加入した場合、3年ごとに事業の経営に携わっていることを確認するための文書が送られてきます。
●給与所得者が、副業的にアパート・マンションなどを経営している場合や生命保険外務員などは加入できません。

《メリット》
①支払時・・・所得控除できる
②受取時・・・退職所得として退職所得控除を控除、税率1/2
③遺族が受け取る時・・・死亡退職金として非課税枠「500万円×法定相続人の数」が適用できます。

《デメリット》
途中で解約する場合、解約手当金は、掛金納付月数に応じて、掛金合計額の80%~120%相当額が受け取れますが、掛金納付月数が、240ヶ月(20年)未満の場合は、掛金合計額を下回ります。 また、任意解約の場合、受け取った解約手当金は一時所得になる場合があります。
また、毎月払う掛金を減額する場合には相当の理由が求められます。

 小規模企業共済は、国が作った退職金制度であり、銀行に預けておくよりも良い利率を付けてくれるほか、 所得税の所得控除の適用もあり、とても優遇された制度といえます。
 ただし、急に資金が必要になって解約するということが考えられる場合には、 元本割れする可能性があるので、資金に余裕のある範囲内で始めることが重要です。
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