現金を賃貸建物という資産に変えるだけで、相続財産の圧縮ができ、相続税を引き下げることができるということを
(9)建物を建てるメリットの中でお話ししました。
賃貸アパート・マンションを建てる際に借入金をするから相続税対策になると考えている方もいらっしゃいますが、
そうではありません。
しかし、相続税対策のためだけに賃貸アパートや賃貸マンションを建てることが
本当に資産を守ることになっているのでしょうか?
私はいつも疑問に思ってしまいます。
不動産事業として検討したうえで建設するのは、賛成ですが、
相続税の節税対策のためだけの賃貸アパート・マンション建設は、私は反対です。
相続税が下げられても、『事業』で失敗しては元も子もありません。
『事業』としての採算をしっかりと検討したうえで、トータルでGOがだせるかどうか、
しっかりと検討いただきたいと思っています。投資した元本を回収しているうちは、まだまだ利益が獲得できていないのと同じです。
例えば、借入金をしてアパートを建てた場合
自己資金0円のため、投資資本が0円と考え毎年の手残りが利益と考える。
→本当にそうでしょうか?借入金の返済がすべて返せるまでは、利益は確定できていないと私は思いますし、返済後も、取壊し費用は負債として考えられるのではないか。
例えば、自己資金でアパートを建てた場合
毎年の手残りが投下資本の回収と考えると、元本の回収がわかりやすいし、その投下資本と取壊し費用分が回収できた後の手残りは利益と考えられる。
→何年後から利益が出るのかを考え、その有効性を考える必要があるのではないか。
上記は私がアパート建築を考える際の考え方であり、一般的ではないかもしれません。
ただ、建築の際には、「相続税の節税になるなら」という理由だけで建築してほしくないのです。
アパート・マンション建築も、金融資産運用と変わらないと思います。『資産運用』・『資産保全』です。
じっくり考えて決めていただきたいものです。
おいしい話には裏がある、ではありませんが、大きな建物を建てるということは、
それだけで大きなリスクを背負うことになります。 アパート建設等の際には、ご注意ください。 |