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生前対策 (14)住宅取得資金の贈与
(注)改正が入っています。修正まで今しばらくお待ちください。

 住宅取得資金を贈与する際に使える特例はふたつあります。
 ◆直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税
 ◆相続時精算課税制度における住宅取得等資金の贈与の特例

直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税
平成27年1月1日から平成31年6月30日までの間に、父母や祖父母など(直系尊属)から住宅を取得するため等の資金の贈与を受けた場合、 その住宅取得資金の贈与について一定金額が非課税になるという特例があります。(措法70の2)

この特例を使った贈与については、相続税の計算上、相続財産に加算する必要がないなどの有利条件もあり、相続税の節税対策としても有効です。

●受贈者(もらう人)の要件
(1) 次のいずれかに該当する者であること。
 イ 贈与を受けた時に日本国内に住所を有すること。
 ロ 贈与を受けた時に日本国内に住所を有しないものの日本国籍を有し、
   かつ、受贈者又は贈与者がその贈与前5年以内に日本国内に住所を有したことがあること。
 ハ 贈与を受けた時に日本国内に住所も日本国籍も有しないが、贈与者が日本国内に住所を有していること。
(2) 贈与を受けた時に贈与者の直系卑属であること。
 なお、直系卑属とは子や孫などのことですが、子や孫などの配偶者は含まれません。
(3) 贈与を受けた年の1月1日において20歳以上であること。
(4) 贈与を受けた年の合計所得金額が2,000万円以下であること。

●住宅取得等資金の範囲
自己の居住の用に供する家屋を新築若しくは取得又は自己の居住の用に供している家屋の増改築等の対価に充てるための金銭の贈与。
※一定の家屋の新築若しくは取得又は一定の増改築等には、次のものも含まれます。
・ その家屋の新築・取得・増改築等とともにするその家屋の敷地の用に供される土地や借地権などの取得
・ 住宅用家屋の新築(住宅取得等資金贈与日の属する年の翌年3月15日までに行われたものに限ります。)に先行してするその敷地の用に供される土地や借地権などの取得
※一定の親族など特別の関係がある者との請負契約等による場合やこれらの者から取得する場合は適用不可。

●家屋の要件
イ 家屋の登記床面積(区分所有床面積)が50平方メートル以上240平方メートル以下であること。
ロ 購入する家屋が中古の場合は、家屋の構造によって次のような制限があります。
(イ) 耐火建築物である家屋の場合は、その家屋の取得の日以前25年以内に建築されたものであること。
(ロ) 耐火建築物以外の家屋の場合は、その家屋の取得の日以前20年以内に建築されたものであること。
※一定の「耐震基準適合証明書」又は「住宅性能評価書の写し」により証明されたものは、建築年数の制限はありません。
ハ 床面積の2分の1以上に相当する部分が専ら居住の用に供されるものであること。

●増改築の要件
イ 増改築等の工事に要した費用が100万円以上であること。(居住用部分の工事費が全体の2分の1以上)
ロ 増改築等後の家屋の床面積の2分の1以上に相当する部分が専ら居住の用に供されること。
ハ 増改築等後の家屋の登記簿上の床面積(区分所有床面積)が50平方メートル以上240平方メートル以下であること。
ニ 増改築等に係る工事が、一定の工事に該当することについて、「確認済証の写し」、「検査済証の写し」又は「増改築等工事証明書」などの書類により証明されたものであること。

●非課税限度額
(1) 省エネ等住宅(注2)の場合

~平成27年12月       1500万円
平成28年1月~平成29年9月 1200万円
平成29年10月~平成30年9月 1000万円
平成30年10月~平成31年6月 800万円

(2) (1)以外の住宅の場合

~平成27年12月       1000万円
平成28年1月~平成29年9月 700万円
平成29年10月~平成30年9月 500万円
平成30年10月~平成31年6月 300万円

※「省エネ等住宅」とは、省エネ等基準(省エネルギー対策等級4相当以上、耐震等級2以上 又は 免震建築物であること)に適合する住宅用の家屋であることにつき、住宅性能証明書、建設住宅性能評価書の写し、又は長期優良住宅認定通知書の写し及び認定長期優良住宅建築証明書などにより証明がされたものをいいます。

※消費税が10%である場合の「特別住宅資金非課税限度額」については、消費税の増税の動向により改正が入ると思われます。

●贈与税申告
贈与を受けた住宅取得等資金の金額が非課税となる金額以下の場合でも贈与税申告が必要です。

相続時精算課税制度における住宅取得等資金の贈与の特例
親から住宅取得等資金の贈与を受けた20歳以上の子が、条件を満たすときは、 贈与者である親の年齢が65歳未満であっても相続時精算課税を選択することができます。
住宅取得等資金に係る相続時精算課税制度の特例の場合は、贈与者の年齢制限がないという特徴があります。

また、住宅取得資金贈与の非課税の特例と併用することもできます!

●受贈者(もらう人)の要件
(1) 贈与を受けたときに日本国内に住所があるか、日本国内に住所がないが次のいずれにも当てはまること。
  イ その方が日本国籍を有していること。
  ロ その方又は贈与した方が、贈与前5年以内に日本国内に住所を有していたことがあること。
(2) 贈与者の直系卑属である推定相続人であること。
(3) 贈与を受けた年の1月1日現在において20歳以上であること。

●住宅取得等資金の範囲
自己の居住の用に供する家屋を新築若しくは取得又は自己の居住の用に供している家屋の増改築等の対価に充てるための金銭の贈与。
※一定の家屋の新築若しくは取得又は一定の増改築等には、次のものも含まれます。
・ その家屋の新築・取得・増改築等とともにするその家屋の敷地の用に供される土地や借地権などの取得
・ 住宅用家屋の新築(住宅取得等資金の贈与を受けた日の属する年の翌年3月15日までに行われたものに限ります。)に先行してするその敷地の用に供される土地や借地権などの取得
※一定の親族など特別の関係がある者との請負契約等による場合やこれらの者から取得する場合は適用不可。

●家屋の要件
イ 家屋の登記床面積(区分所有床面積)が50平方メートル以上であること。
ロ 購入する家屋が中古の場合は、家屋の構造によって次のような制限があります。
(イ) 耐火建築物である家屋の場合は、その家屋の取得の日以前25年以内に建築されたものであること。
(ロ) 耐火建築物以外の家屋の場合は、その家屋の取得の日以前20年以内に建築されたものであること。
※一定の「耐震基準適合証明書」又は「住宅性能評価書の写し」により証明されたものは、建築年数の制限はありません。
ハ 床面積の2分の1以上に相当する部分が専ら居住の用に供されるものであること。

●増改築の要件
イ 増改築等の工事に要した費用が100万円以上であること。(居住用部分の工事費が全体の2分の1以上)
ロ 増改築等後の家屋の床面積の2分の1以上に相当する部分が専ら居住の用に供されること。
ハ 増改築等後の家屋の登記簿上の床面積(区分所有床面積)が50平方メートル以上240平方メートル以下であること。

●税率
2,500万円までは贈与税はかかりませんが、
それ以上の贈与については、贈与税の税率20%


●贈与税申告
贈与税申告が必要です。

 住宅取得資金贈与の特例で相続税の節税対策において、重要なことは 『直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税』は、 相続税の計算時に持ち戻して計算する必要がなく『相続時精算課税制度における住宅取得等資金の贈与の特例』は相続税の計算時に相続財産に加算して計算される ということです!
 相続税の節税のため、相続財産を減らすという観点からいうと、 『直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税』を優先して利用していきたいものです。
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