相続税申告 (6)『法定相続人』って『相続人』とどう違うの?

 法定相続人とは、原則的には民法の規定による相続人に該当する人をいいます。
 ただし、相続税の話をする際に用いられる『法定相続人の数』は、基礎控除などの計算で用いられる数のことを指していることが多々あります。
 相続税法の中で、基礎控除などの計算に用いる『法定相続人の数』には制限を設けています。

①相続の放棄があった場合でも、その放棄がなかったものとした場合の相続人をいう。
②被相続人に養子があるときは、法定相続人の数に含まれる養子の数に次のように制限を設ける。

(イ)被相続人に実子がある場合又は養子の数が一人である場合  ・・・一人
(ロ)被相続人に実子がなく、養子の数が二人以上である場合   ・・・二人
※特別養子縁組により養子となった人や、当該被相続人の配偶者の実子で当該被相続人の養子となった人、 代襲相続人などは実子とみなして計算します。
(相続税法第十五条の二) 条文を確認!

 また、この『法定相続人の数』は基礎控除額の計算以外でも、死亡保険金の非課税枠、死亡退職金等の非課税枠の計算でも使用します。
【相続税が非課税となる財産】
生命保険金のうち次の金額まで  500万円×法定相続人の数
死亡退職手当金等のうち次の金額まで  500万円×法定相続人の数

 相続税を節税するために、養子縁組をするという話を聞いたことがある方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。 むやみやたらに養子縁組をしても節税にはなりません。 相続税の「2割加算」の対象になる場合もありますので、その家に合った節税を考えるべきだと思います。
 (参考)→生前対策(17)養子縁組の効果