相続こぼれ話 (5)名義預金

 名義預金とはなんでしょうか?
 相続税の税務調査などで問題視されることの多い預金です。  

 どんなものかというと、形式的には配偶者や子・孫などの名前で預金しているが実質的にはそれ以外の真の所有者がいる、 つまり、それら親族に名義を借りているのに過ぎない預金を名義預金と 言います。
 名義預金は名義人の財産とならず、それを実質的に所有していた方の財産となります。
 単に名義が被相続人以外になっているからと、相続税の申告に含めなかった場合、 『財産漏れがある』と税務署が言ってくることがあります。

「贈与」は「あげる」という意思と「もらう」という意思がお互い一致していないと成立しません。 名義預金はこの一致がなく、贈与は行われていないと判断され、被相続人の財産漏れであると指摘を受けるというわけです。
 『名義預金』かどうか、いくつかチェックする項目を挙げてみましょう。

(1)預金通帳を作った時の印鑑。被相続人と同じ印鑑では問題です。
(2)誰が管理していたか。もらった人が自由に預金を引き出したりできなければ、それはもらったといえますか?
(3)娘名義の通帳が、結婚しても、旧姓のままになっている。また、通帳は実家に置いたまま。
(4)専業主婦なのに、不自然に多額の預金を持っている。

 名義預金とされないためにも、必ずもらった人が通帳・印鑑を管理し、住所変更や名前の変更も適切に行いましょう。