遺言 (14)寄与分

 被相続人(亡くなった人)の財産の維持や増加に特別な寄与(貢献)をした相続人に対して、 本来、承継するべき相続分とは別に、被相続人の遺産の中から、その貢献度を考慮した相当額の財産の取得を認めましょうという制度です。
(民法第904条2) 条文を確認!

寄与とは?
→被相続人の事業に関する労務の提供または財産の給付、
→被相続人の療養看護その他の方法により
→被相続人の財産の維持または増加につき特別に寄与をした共同相続人

と法律で決められているので、それ以外のことでは、寄与とはいえません。

 なお、寄与分を主張できるのは、法律上の相続人にかぎられ、内縁の妻や事実上の養子などは、どんなに貢献していたとしても、自ら寄与分を主張することはできません。相続放棄した者、相続欠格者及び廃除された者も寄与分を主張する資格はありません。 

 寄与分は原則として相続人全員の話し合い(協議)で決めます。協議がまとまらないときは、家庭裁判所に調停や審判を申立ててその額をきめてもらうことになります。

 寄与分は必ず決めなければならないというものではありません。 相続人全員が納得すれば、例えば『介護をしていた長男が全部相続する』などの遺産分割もすることができます。 寄与分が問題になるのは、やはり相続人がお互い権利を主張しあって遺産分割について譲り合えない時かもしれませんね。