生前対策 (11)定期借地権の活用

 定期借地権とは、平成4年8月に施行された新借地借家法にもとづいて、供給側の地主が安心して借地を提供しうる環境を整備し、 住宅宅地の供給を目的として生まれた制度です。 要件を充足した契約なら期間が終了すると必ず返還され、定期借地権で賃貸すると終了時のトラブルが回避出来ます。 定期借地権契約は地代しか入りませんが、定期的に安定した収入を確保するには優れた手段です。

定期借地契約における相続税評価
◆ 一般定期借地権(50年以上)の場合の底地評価
 底地の価額から、定期借地権の価額に相当する金額を差し引いて、底地の評価額を計算します。
 ※借地権割合が50%の地域の場合、契約時に35%評価減で65%評価 →期間が満了に近づくにつれて、底地の評価額は100%に近づいていきます。
◆ 事業用借地権の場合の底地評価
 建物譲渡特約付借地権や事業用借地権は、20%評価減となり80%評価。 期間が経過に伴い、定期借地権用地の評価は上がります。

残存期間更地評価に対する減額割合
5年以下5%
5年超10年以下10%
10年超15年以下15%
15年超20%

◆ 定期借地権用地として土地を貸すデメリット
①契約期間中の処分がしにくい。
②地代収入が土地の価格に対して2%程度である。
③預かった保証金は運用方法によって課税関係が異なるため、注意が必要。
(保証金の名目で無利息で金銭を預かった場合、その経済的利益が土地所有者の不動産所得となります。 しかし、この保証金を事業用資産の購入資金や借入金の返済などに使ったときは、課税されません。)

定期借地権の契約における相続税評価のポイントは、定期借地権の場合は契約後すぐに評価が下がるということです。