相続税申告 (11)財産から引けるもの

 相続税を計算するときは、被相続人が残した借入金などの債務を遺産総額から差し引くことができます。 この債務には、「債務」という言葉通りの借入金などの債務のほかに、被相続人の葬式費用も債務ではありませんが控除できます。
(相続税法第十三条、第十四条) 条文を確認!

 【控除できる債務】
被相続人が死亡した時にあった債務で確実と認められるもの

【控除できない債務】
生前に購入したお墓など非課税財産に関する債務

 【控除できる葬式費用】
死体や遺骨の運搬にかかった費用
遺体や遺骨の回送にかかった費用
火葬や埋葬、納骨費用通常葬式などにかかせない費用(お通夜費用など)
お寺などに読経料などのお礼をした費用


 【控除できない葬式費用】
香典返戻費用
墓碑及び墓地の買入費並びに墓地の借入料
初七日や法事などの法会に要する費用
医学上又は裁判上の特別の処置に要した費用

 葬式費用の中には領収書等がない支出もあります。 そういった支出は、日付・相手先・金額などをメモでも残しておきましょう。
 控除できない葬式費用で間違えやすいのが、「初七日の費用」です。 最近では、葬式の当日に初七日まで執り行うケースが増えています。 葬式と初七日と区別できないような費用も多々ありますが、区別できないものについては葬儀費用に含めても差し支えありませんが、 分けられるものについては葬儀費用に含めることは原則できません。
 控除できるか分からない支出については、 すべて領収書やメモを残しておいていただくことが重要です。