平成26年度税制改正(相続税・贈与税関連)
平成26年度の税制改正の内容を整理してみましょう。
(1)医業継続に係る相続税・贈与税の納税猶予の創設
相続人が持分の定めのある医療法人の持分を相続または遺贈により取得した場合において、その医療法人が相続税の申告期限において『認定医療法人』であるときは、担保提供を条件に、当該認定医療法人に係る相続税額については、移行計画の満了までその納税を猶予し、移行期間内に相続人が持分のすべてを放棄した場合には、猶予税額を免除する。
■贈与税の納税猶予
持分の定めのある医療法人の出資者が持分を放棄したことにより他の出資者の持分の価額が増加することについて、その増加額に相当する額(経済的利益)の贈与を受けたものとみなして当該他の出資者に贈与税が課税される場合において、その医療法人が認定医療法人であるときは、担保提供を条件に、当該出資者が納付すべき贈与税額のうち、その経済的利益に対応する贈与税額については、移行計画の期間満了までその納税を猶予し、移行期間内にその持分のすべてを放棄した場合には、猶予税額を免除する。
(2)相続税の取得費加算の特例の見直し
相続財産である土地等を譲渡した場合の譲渡所得税の特例について、譲渡所得の金額の計算上、取得費に加算する金額を、その譲渡した土地等に対応する相続税相当額のみとする。
<現状の譲渡所得の計算>
売却代金 ― 取得費 ― 取得費加算額(すべての土地等に対する相続税額) ― 諸費用等
<平成27年1月1日以後の相続財産に係る譲渡所得の計算>
売却代金 ― 取得費 ― 取得費加算額(売却した土地等に対する相続税額) ― 諸費用等