遺言 (10)遺言の保管
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 せっかく遺言を作成したとしても、相続人が遺言を見つけることができなかった場合には、 遺言を行った人の意思は実現することができなくなってしまいます。
 もしも法定相続人全員の同意による遺産分割協議がまとまった後に遺言書が見つかった場合、 遺言が優先されますので、遺産分割が無効となってしまいます。 反対に、遺言書を簡単に発見できる場所に保管していた場合、推定相続人等の利害関係人によって偽造や変造をされる危険性があります。
 自筆証書遺言や秘密証書遺言の場合には、銀行等の貸金庫に預けたり、関与している弁護士、 司法書士や税理士などに預けることが多いようです。 ただし、相続後発見されないということを防ぐ手だては考えておいた方が良いかもしれません。

 公正証書遺言の場合には、その遺言書の原本は公証人役場に保管されます。 そのほかに2通の遺言の写しが作成後に渡されます。 写しについては、相続後の手続きに使用できますので、大切に保管しましょう。 この写しも被相続人だけでなく、相続後の手続きを依頼する予定の税理士等に保管を依頼するのも安心です。
 公証人役場に原本を保管してもらうといっても、保管のための費用はかかりません。

 相続後に公正証書遺言が存在するかどうか分からない場合、公証人役場で調べてもらうことができます。 平成元年以降に作成された公正証書遺言であれば、日本公証人連合会において、 全国的に、公正証書遺言を作成した公証役場名、公証人名、遺言者名、作成年月日等をコンピューターで管理していますから、 すぐに調べてもらえます。

 ご家族がなくなった時、遺言を残しているかどうか分からない時は、 公証人役場に行って公正証書遺言が残されているか調べることができます!
 被相続人も相続人も安心ですね。